私自身は物心ついた時には「お父さん・お母さん」と呼んでいて、「パパ・ママ」と言った記憶はありません。
ありませんが、乳幼児期の頃の記憶なんてないですし、
そもそも赤ちゃんがすぐに「お父さん・お母さん」と発音するのは無理でしょう。
自分もそういっていた時期があったかも、と考えると何だか…ちょっと照れくさいです。
で、この「パパ・ママ」流石に日本語ではないはず。
じゃあ英語?英語の翻訳ソフトで「パパ・ママ」を翻訳してみると、「Daddy・Mom」になります。「father・mother」ではないんですね。
と言ってもアメリカでも地方によっては、「パパ・ママ」と呼ぶところもあるらしい。
じゃあ、やっぱりアメリカ?と思っていましたが、そんな単純ではありませんでした。
「語源」は…ない?
この「パパ・ママ」実は”これ”と言った語源がありません。
世界の様々な国で両親の呼称になっています。
特に「ママ」の呼び方は普遍的です(「パパ」もそれなりですよ!)。
実際にはそれぞれの国で少しずつ発音は異なりますが、それは些細な違いでしょう。
様々な国で使われる「パパ・ママ」ですが、歴史の中で多数の国に伝わり定着したのか?それとも何か理由があるのか?調べてみました。
赤ちゃんの発音は世界共通?
どの国でもどの時代でも、生まれたばかりの赤ちゃんに言葉はしゃべれません。
最初はただ泣くのみで、せいぜい言葉にならないうめき声をあげる程度です。
ちょっとづつ体の発声機能が発達していきますが、当然初めのうちは意味ある言葉ではありません。
赤ちゃんにとって、「出しやすい音(声)」をだしているだけなんですよね。
でも実は「ママ」と言う時の口の形は、授乳の際の口の形と近いんだそうです。
つまり「ママ」と発音するのは、赤ちゃんとってしやすい、というか、自然だといえます。
赤ちゃんは時間とともに五感も発達します。
次第に見えるものや、触れるものに連動して声(音)を発します。
発音しやすく、赤ちゃんが発声できる限られた言葉(「言葉」と言うほど自覚的ではないですが)が「ママ」。
母親を見ながら触りながら言えば、「自分(母親)のことを指している」と感じるのは自然の成り行きです。
「パパ」も「ママ」ほどではありませんが、発音しやすい言葉なので「ママ」に合わせて広がったと思われます。
ちょっと脱線 「パパ・ママ」と「お父さん・お母さん」の歴史は同じ!?
日本で、自分の親の呼称が「お父さん・お母さん」と呼ぶ様になったのは明治からだそうです。
もちろんそれ以前にも似た感じの呼び方はありましたが、「お父さん・お母さん」が正式化されたのは明治時代からになります。
では、「パパ・ママ」?
これも明治に、上流の人たちの間で流行りだしたのが発端の様です。
ここ数十年に入った外来語だと思っていましたが、意外な歴史を知ることになりました。
言葉は歴史と文化。赤ちゃん「そんなの知らないよ?」
言葉はそれぞれの国の歴史と文化を反映し、コミニュケーションの大切な基本となるものです。
でも、言葉の違いは国の違い、ひいては文化の違いを意識させます。そして「あの人と私は違う」と感じさせてしまいます。
でも赤ちゃんは違う。
赤ちゃんは「言いやすい声を発音してるだけ」なんですよね。
でもちゃんと母親とのコミニュケーションが成立しています。
「それは親子だからだろ!」と言われそうですね。
もっともですが、たとえ親子であっても、別の人間には違いありませんよ?
言葉はすごく大切です。
でも言葉だけを見るのではなく、そこに込められた気持ちを汲み取る努力も大切…「パパ・ママ」に教わった気分です。