生肉をそのまま食べる。6~7年前までは結構普通に行われていました。
生食は火を加えられた肉とは異なるうまさがあり、一定の人気があったのは事実です。
しかし2011年の事故により5人の方が亡くなられ、100人以上の被害者を出す事故(事件)が発生。
結果生肉の提供が規制されることに。
亡くなった5人の内14歳一人、6歳二人と3人が子供でした。
生肉を食べれば、必ず食中毒を起こす訳ではありません。
事故以前には多くの焼肉店などで提供されていましたし、
「トリミング」という肉の表面を削ぐ作業をすれば、安全性はかなり向上します。
これは食中毒を引き起こす菌が肉の表面付近にとどまり、内部に侵入しない性質からです。
(注意:すべての種類の肉で、表面付近にとどまるかは分かりませんでした)
それでも一旦食中毒になってしまうと、大人であっても体調を崩してしまいます。
大人と比べると、抵抗力の低い子供はなおさらです。
亡くなられた方の中に、14歳のお子さんがいらっしゃいます。
14歳と言えば、もう大人と同じ食事でも問題がない歳です。それでも食中毒になる…。
それが1歳ともなれば心配になって当然、不安になる気持ちは充分に理解できます。
誤って食べた時どうなるのか、どうすればいいのか、考えてみましょう。
下痢や嘔吐はある?腹痛や発熱はどう?症状が出たらとにかく病院へ!
人間、普通に生活していても体調を崩すことはあります。
「下痢 嘔吐 腹痛 発熱」これらは全部、体の防御反応の結果です。
体の中から害になるものを排出したり、”痛み”として警告を出したりもします。
発熱によって、体に侵入したウィルスや菌を攻撃することだってあります。
体が「異常事態発生!」と訴えている訳ですから、程度次第では迷わず病院に行くべきです。
症状が軽い場合でも、時間経過で悪化する可能性もあるので、「軽くてよかった」と油断せずに慎重に体調を見守りましょう。
昨日子供が生肉食べたけど平気みたい、よかった。いえ、ちょっと待ってください!
ボーリング楽しかった…と思っていたら翌日に筋肉痛。よくあることです。
それでも筋肉なら、痛み始めが数日後というのは少ないと思います
(本当かは知りませんが、若い人は翌日、若くない人は翌々日、なんて話を聞いたことがあります)。
でも風邪を引き起こすウィルスや、食中毒の原因となる菌の場合は、すぐに症状がでないこともあるのです。
人間の体内には、常に病気になり得る病原体が侵入しています。
侵入した病原体のほとんどは、体の防御システムで排除されるか無害化されます。
しかし、いつも常に100%排除や無害化が上手くいく訳ではありません。
そのような場合には、ある程度期間をおいて症状がでる可能性もあります。
まず3日は注意しましょう。生食から一週間なんともなければ、恐らくは大丈夫です。
「小児救急電話相談事業 #8000」 知ってますか?
状態が一定ラインを越えたら迷わず病院、場合によっては救急車を要請しましょう。
でも人間って、非常時には中々判断できないものです。
「アドバイスが欲しい、できれば専門家の…!」そう考えるのは当然と言えます。
しかし休日や夜間に病院に電話するのは、意外と難しいです。
休日は診療していない病院が多いですし、夜間は電話が通じないでしょう。
そんな時に頼りになるのが、小児救急電話相談事業の小児救急でんわ相談です。
厚生労働省が運営しており、「# 8000」へ電話すると住んでいる地域の相談窓口に転送され、
医師や看護師などの専門家からのアドバイスを受けられます(#と8000、両方とも必要)。
この番号はメモしておいて、常時見えるところに貼っておいてください。
あれ、「こんな簡単な番号忘れないよ(笑)」そう思っちゃいましたか?
人間は忘れるいきものです。実は”忘れる”のは生きていくのに大切な機能です。
常に意識しているならともかく、めったに使わない番号なんて、大抵忘れます。
携帯に登録しておいてもいいのですが、
家族皆が見えるところに貼っておけば、全員が緊急事態に対応可能です。
メモを磁石で冷蔵庫にでもはさんでおきましょう。
時々、家族みんなで「いざというときは#8000!」と確認するのも良いですよ!
「備えあれば憂いなし」諺や格言はダテじゃない!
「いざという時のための準備」これ、すごく重要です。
いろんな事態を想定して準備しておけば、非常事態が発生しても冷静に対処できます。
確かに想定外になることもありますが、リスクは確実に減らせるのです。
「なにも起きなかったら?準備がムダじゃないか!」そうかもしれません。
だけどそれって、良い事ですよね?
非常事態の準備で一番いいことは、その準備が使われないことなんです。
非常事態にならない。それがベストです。
準備が使われないことを願っています。
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